Chapter2-8 コーディングの留意点

ここでは、プログラムの動作には関係しないものの、コードを書く上で留意しておくべき点をいくつか紹介します。これらは基本的に、のちのプログラムのメンテナンス性をよくするためのものです。


■プログラムの処理内容を、分かりやすい日本語の「コメント」として付加する

VBAでは、「’(シングルクォーテーション)」以降はコメントとして扱われ、実行されません。プログラムは基本的に英数字だけの表記ですので、日本語を使うことで、そこでどんなことをしているかを簡単に読み取ることができます。

Sub OpenForm(strFrmName1 As String, strFrmName2 As String)
'指定したフォームをいっしょに開きます
  '1つ目のフォームを開きます
  DoCmd.OpenForm strFrmName1
  '2つ目のフォームを開きます
  DoCmd.OpenForm strFrmName2
  MsgBox "フォームを開きました"   'メッセージの表示

End Sub


  • コメントが実行されないことを利用して、一時的にその行を実行させずにプログラムを評価するということもできます。


■ループや条件分岐など、処理構造に合わせてインデントを付ける

VBAには、コードを何桁目から記述しなければならないという規則はありません。しかし、たとえば、「For〜Next」の記述位置に対して、そのループ内のコードを「インデント(字下げ)」して記述しておくことで、プログラム全体の処理構造がとても見やすくなります。


  • インデントを付けるには、その行の先頭でTabキーを押します。Shift+Tabキーでインデントを元に戻すことができます。
  • 複数行を範囲選択してからそれらのキーを押すと、複数行をまとめてインデントしたり解除したりすることができます。
  • キー操作に代わって、VBEの「編集」ツールバーのボタンを使うこともできます。
  • それらのキー操作によるインデント量(文字数)は、VBEのオプションの[編集]-[タブ間隔]で設定できます。通常は「2」ぐらいに設定しておくとよいでしょう。


■長いコードは適当なところで改行する

コードウィンドウの幅に収まらないような横長のコードを書くと、画面を左右にスクロールしなければならず、全体の視認性が低下します。適当なところで改行して、どちらかといえば縦長になるようにします。

コードを1つの命令文の途中で改行したい場合は、「&」や「,」、スペースなどの文節の区切りで行継続文字「_(アンダーバー)」を付けた上で改行します。
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