#658 クライアントの設定オプションをプログラムで設定するには? VBA

Accessでは、リボンの[ファイル]-[オプション]で表示される画面の[クライアントの設定]によって、そのパソコンのAccessに関する動きをいろいろ設定変更することができます。


これらの設定は、ユーザーが事前にそのAccess自体に設定しておくことで、どのようなデータベースファイルを開いた場合にも反映させることができます。
一方で、特定のデータベースアプリケーションの機能として特定の設定にしたいという場合もあります。たとえば、テキストボックスなどでデータをキーインしてEnterキーを押したとき、通常は次のフィールド(コントロール)にフォーカスを移動させるようにするが、そのアプリケーションの動作としては”移動しない”ようにしたいといった場合です。

そのようなケースでは、各コントロールのイベントプロシージャでEnterキーが押されたときの動きを制御するといったことも可能ですが、アプリケーション全体に渡っての設定であれば、この”クライアントの設定”オプションで一括設定変更する方が簡単です。


この”クライアントの設定”オプションは、VBAのプログラムから行うことができます。

たとえば、「フィールド移動時の動作」オプションは、既定では「フィールド全体を選択」になっていますが、これを「フィールドの先頭に移動」に設定変更したいのであれば、次のようなコード1行を実行します。

Application.SetOption "Behavior Entering Field", 1

ここで、「SetOption」はオプション値を設定するためのメソッドです。最初の引数に設定変更する「オプション名」(英字表記)、次の引数にその設定値を指定します。
  • SetOptionメソッド実行前のオプション画面
  • 実行後のオプション画面

下表は、クライアントの設定画面に表示されている日本語表記のオプション名と、SetOptionメソッドの引数に指定する英字表記の対比表の一部です。これを参考にて各設定を行ってください。
日本語表記のオプション名 SetOptionに指定する英字表記
Enterキー入力後の動作 Move After Enter
フィールド移動時の動作 Behavior Entering Field
方向キーの動作 Arrow Key Behavior
先頭/最後のフィールドでカーソルを止める Cursor Stops at First/Last Field
定型入力で漢字変換を自動的に確定する   Ime Autocommit
既定の検索/置換 Default Find/Replace Behavior
確認-レコードの変更 Confirm Record Changes
確認-オブジェクトの削除 Confirm Document Deletions
確認-アクションクエリ Confirm Action Queries
既定の方向 Default Direction
通常の並び順 General Alignment
カーソル移動 Cursor Movement
データシート上でIMEを制御する Datasheet Ime Control
ステータスバー Show Status Bar
行や列をスライド表示する Show Animations
操作タグをデータシートに表示する Show Smart Tags on Datasheets
操作タグをフォームとレポートに表示する Show Smart Tags on Forms and Reports  
既定のレコードロック Default Record Locking
レコードレベルでロックして開く Use Row Level Locking
再表示の間隔(秒) Refresh Interval (sec)
更新の回数 Number of Update Retries
ODBCの再表示の間隔(秒) ODBC Refresh Interval (sec)
更新の間隔(ミリ秒) Update Retry Interval (msec)


各オプションの設定値については、次のような方法で目的の設定値を確認できます。
  • 現在の設定値は、イミディエイトウィンドウで下記のようなコードを実行することで取得できます。「GetOption」メソッドに上記のオプション名を指定して実行します。クライアントの設定画面で手作業で設定変更を行い下記コードを実行することで、どのような値を「SetOption」で実行すればよいか分かると思います。

    ?Application.GetOption("Behavior Entering Field")

  • また、大まかな基準として、クライアントの設定画面でのオプション値の設定操作において、
    • チェックボックスのON/OFFで設定するものは「True/False」を引数に指定します
    • オプショングループ内から選択するものは、画面の上の項目から順番に「0」「1」「2」・・・といった値を指定します
    • 数値を指定するものは画面に入力するのと同様の数値を指定します
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